では、どういう場合に千日手の発生率が上がるだろうか?
この解答に悩む人も居ると思う。
ひとつの答えが、【名人戦対局】というのはいかがだろうか?
称号獲得棋戦以外はほぼ対局しない人となってくるとこれはかなり引分率が高くなってくる。
ただ、引分は自分がかなり不利だと思っている段階では相手側から打開されてしまう。
同様に、自分が圧倒的に有利ならそもそも自分から打開していく。
そうなってくると、その中間の細い空間の部分が引分の可能性を持つ局面となる。(*1)
では、自分が若干有利として打開するか?
この打開するという答えを呼び込む駆け引きこそが名人戦の醍醐味だと思う。
組内順位という世界に基準点以外のものを探しに行く、そういった棋譜を見つけにいけたら楽しいと思う。
話を戻し、名人戦の上位互換に、喪婆戦限定の人で勝率と基準点重視の人というのも少なからず居ると思う。
これは完全に別格であろう。
では、この基準点重視の人で更に高くなる例が、300点差狙いという方法になる。
本来、他所では300点差の引分は上手の点数が11点減らされ下手が11点増えたりする。
これが24だと減らないし増えない。
もちろん、勝敗がついた場合は逆に28点の移動と4点の移動となり上手が負ければ1点過剰に動くことになる。
この2点の差が上手に無理をさせない無言の力になってくる。
ただし、この無言の【打開責務下手持ち】は対局数が少ない人限定である。
逆に対局数が多くなると、この僅か1点2点の差など気にしなくなる。
(続く)
*1(トイレに行きたくなって優勢だけど引分などの特殊な双方入王系統の例外は除く)