検討用にと棋譜が提供された場合、私はまず提供者の使用時間を見ます。
今回の場合は5分50秒、1時間で5局指した中の1局というイメージですかね。
23手目の▲3六歩からの攻めですが・・・・
良くあるのは▲1六歩から1筋を攻める将棋で、こちらは本に詳しく載ってますし、実戦例も山ほどありますので、
何タイプかの終盤が浮かんでくる中で、お互いが手を選択していくという将棋になります。
対して▲3六歩からの攻めは見本が少ない上に飛車のコビンもあきますのでね、研究していないと怖くてさせません。
25手目▲3五歩には△4四歩が部分的な手筋で、▲3四歩△同銀で、先手の棒銀はさばけないんですねどね。
26手目△同銀と取ると▲同銀に対し、早繰り銀の時みたいに△8六歩からの十字飛車狙いは、こうなるところでしょう。
31手目十字飛車を食らったのではたまらないので▲2四歩ですけど、プロなら詰みまで読んでないと指せないんでしょうね。
一見すると先手が早いように見えますが、お互いがわが道を行くと、6八玉型ですから、
後手が一手早く王手が出来るので、先手としてもそこはしっかりした読みが必要となってきます。
戻って23手目で▲3六歩から攻めると、こういう展開は十分に予想されるので、
研究して少なくとも五分に進められる自信がないとということになろうかと思います。
また3筋から仕掛ける実戦例が少ないということは、それだけ上手く行きにくいということなので、
そこを研究でどれくらい埋めることが出来るのかという将棋だと思います。