対局中に相手から「俺の駒なら打てねぇよ」と言われて思わず笑ったとして、
それが投了勧告だと推測して「銀得の銀を自陣に埋めたくらいで俺が投了するわけないじゃん、そんなの三味線にもなんねえよ」という笑いで、本当に相手が三味線のつもりで言ったのなら、効果なしで笑えます。
ただ、通常は三味線でもなければ投了勧告でもない場合の方が多いのに、それを勝手に三味線だとか投了勧告だとか決め付けたら、その人も「そんなわけないじゃん」と笑われる可能性は大きそうです。
こういうのは、言った言葉が上手くて思わず笑ったというものではなくて、言った本人が言ったがために笑われたというやつですね。
三味線と上手いことを言うなあという笑いは相性が悪いと思え私には浮かびませんが、
言ったがために、心の中で密かに笑っているというものならあります。
「指してしまったからしょうがない」「手が離れたからしょうがない」といって、指した手を一度ひっこめたのに、また同じ手を指す人がいます。
これは指したすぐあとに嫌な変化に気付いて一度手を引っ込めたものの、大丈夫と判断したから改めて同じ手を指したわけでね、大丈夫ではなかったら違う手を指すのです。
(そういうことがこれまでに何度もあり、手を変えた時もあれば、変えなかった時もあったというのが条件です)
こういうのは「指してしまったからしょうがない」「手が離れたからしょうがない」じゃあないんですよ、「大丈夫だったから同じ手でいいよ」ってことで、本心とはまるで違うことをいってるんです。
指して戻すまで1~2秒のことですから何もいいませんが、大丈夫でなかったら手を変えるくせに、手を変えないときは「ルールですから私は守りますよ」と「悪い手だけど指したものはしょうがないや」というのを相手に印象付けようとしてるわけで、本心はまるでちがうのにと心の中で密かに笑っていたりします。